フリーランスやイラストレーターになりたい人は『フリーランスで行こう!』がおすすめ!!

  • 著者:高田ゲンキ
  • 出版:インプレス出版

『フリーランスで行こう!』はどんな本?

この本は現在ドイツのベルリンでイラストレーター・マンガ家として活躍されている高田ゲンキさんが、フリーランスとして独立される契機、そして独立されてからの経験をマンガ形式でまとめたものです。

広告代理店の正社員デザイナーとして会社員生活を送っていた著者が、ある日フリーランスイラストレーターという職業の存在を知り、フリーランスとして独立します。

独立当初の仕事が来ないとき、クライアントからの報酬が支払われないとき、勝手に納品したイラストが勝手に変えられたときなど、フリーランスに起こりうるさまざまな問題に対応されたゲンキさんの経験が描かれており、現在フリーランスしている、もしくはこれからフリーランスになるorなりたい人にとって参考になること必至です。

何よりすごいのは、ゲンキさんが美大や専門学校を経ずにイラストレーターをされているということ。

最近では専門の教育課程を通らないとその職業につけないという風潮があるなかで、その既成概念を軽々と飛び越えご活躍されているゲンキさんは尊敬する人物の一人であります。

もちろん、デッサンやadobe系の技術習得のために時間を相応に割いておられるわけですが、独学で壁を突破していく姿がすごいと思いました。

以下、本書を読んで印象に残ったことを書きます。

『フリーランスで行こう!』の商品サイトを見てみる

営業活動大事!

フリーランスで心配になるのがやはりフリーランスでやっていけるの?という点だと思います。

本書でも、フリーランスとして独立したての頃はなかなか仕事の依頼が来ないエピソードが描かれています。あるとき、いきつけのお店のマスターに相談すると、こんな質問を投げかけられました。

「君は『営業』を本気でやっていないんじゃないかい!!?」

グサーーーーッ!

私の心にグサァーーーーーーーーーッッ!!

ともすれば就業時間どおり働けばお給料がもらえるという感覚に陥りがちな私でしたが、自分から仕事を取りにいかなければフリーランスにおいては生き残れないということを改めて認識しました。

いつか誰かが自分の能力を認めてくれ、舞台に引き上げてくれるという「待ち」の姿勢では、仕事は自分のもとにやってこないわけでして。

自分が何をできるか能力を知ってもらわなければ、活躍できる舞台に上がることはおろか、引き上げてくれる人の目に止まることすらないのです。

改めていうまでもないのですが、これってフリーランスでなくても会社員にとっても大切なことだなぁと思った次第です。

なので私も提案や営業を積極的にしていこう。

このあとの出版社や広告代理店にポートフォリオを持参して営業するエピソードはとても参考になります!

ちなみに営業のときに持っていくポートフォリオなのですが、noteでゲンキさんの初期のものが販売されています。

https://note.mu/genkitakata/n/n2f7e925ee2ce

このポートフォリオ、持ち込み用に使われていた初期のものだそうで、プロとしてやっていくために最低限どのぐらいのレベルに到達していればいいか目安として分かります。

私はポートフォリオがどういうものなのか分かっていなかったので、これは!とばかり購入させていただきました。

ポートフォリオの見せ方についても勉強できるので、参考にさせていただきます。

著作権や契約などの法律知識は大事!!

クライアントからの報酬が支払われない、納品した成果物が勝手に改変されている・・・など、フリーランスになるとこれらの問題に自身で対処しなければいけません。

本書ではゲンキさんの奥様が法律分野に詳しく、ここぞというときに助言するなど大活躍されておられます。

何かあった場合は弁護士さんに相談するのも手ですが、個人にとって敷居が高すぎます。

なかなか相談できる立場ではないからこそ、みずから積極的に知識を得ることも大切で、フリーランスは著作権や法律について必要最低限のことは勉強しておくにこしたことはないと思いました。

このほか、道しるべとなる人(師匠)やモチベーションを保つこと、夫婦でフリーランスといった話があり、貴重な情報がたくさん入っています。

『フリーランスで行こう!』は会社だけに依存しない、新しい働き方のひとつを提示してくれるよき漫画でした!