う―ん、あーでもないこーでもない…。
どうしたのだね?そんなにうんうん唸って。
さっきから10分ほど難しい顔をしているじゃないか。その調子だといつも気にしている眉間の皺がさらに深く刻まれてしまうぞ
え、なぜ私が眉間の皺をいつも気にしているの知ってるんですか!?というか、10分前から来てたんなら声をかけてくださいよ!!
細かいことは気にしてはいけない。さ、何で悩んでいるのかね?
実は、ペン先生に先日教えてもらったクラウドソーシングで、ライティングのお仕事を受注できたんです。
ほぉ!よかったじゃないか!
でも、なかなか分かりやすい文章にならなくて、困ってたんです。
なるほど…よし、それじゃ頑張ってるセツ君のために、人肌脱ごうじゃないか。
え!そのスーツを脱ぐんですか!下はやっぱりペンギンなんですか!?足は短いんですか!?
ばっ…ばきゃもん!言葉の綾というものを知らんのかね!足は短くない!出ている部分が少ないだけじゃ!!そんな期待に満ちた目でこちらを見るでない!!
ちぇーっ!
接続…詞!?
そう、接続詞。ではさっそく、接続詞の役割について考えてみようか。
分かりやすい文章とは、接続詞が適切に使われている文章のこと
分かりやすい文章とは、文章が論理的であるということです。
論理とは、論(=筆者の言いたいこと)が理にかなっている(=筋がとおっている)ということです。
では、筆者の言いたいことを理にかなうように書く、つまり論理的に書くにはどうしたらいいのでしょう。
てにをはをきちんとする?
主語と述語の関係を整える?
もちろん正解です。
もう一歩踏み込んだ話をすると、接続詞を適切に使うことです。
接続詞は読者を路頭に迷わせないための言葉
接続詞とは
接続詞は一般的に以下のように定義されます。
接続詞とは、文頭にあって、直前の分と接続詞を含む文を論理的につなぐ表現である。
―石黒圭『文章は接続詞で決まる』光文社新書、2008年9月、27頁。
接続詞は、後ろに続く文脈の方向づけをしてくれるもの
接続詞と聞いて筆者が思い出すのは、大学受験の現代文対策で「接続詞」に注意して文章を読め!とよく言われたことです。
現代文、とくに論文には、筆者の言いたいことが接続詞に凝縮されているからです。
私がよく注意していた接続詞は「しかし」、「ようするに・つまり」、「言い換えれば」です。
この接続詞を見かけたら鉛筆でぐりぐり囲んだものです。
接続詞を見かけたら、「おっ!次から筆者の言いたいことだな!」と準備をすることができます。
もし接続詞もなしに文章が書かれていた場合、何度も前の文脈と往復して読まなければいけない手間が発生します。
ここの文は何を言っているのか、前後関係を確かめるためです。
要するに接続詞は、「ここから逆のこというぞ~」、あるいは、「ここから筆者が主張するぞ~」という具合に、読者の注意を引き、これから何を言うのか読者に知らせてくれるワンクッションの働きをしているのです。
接続詞のある文章は、読者に親切な文章
接続詞を使っている文章は、これから何を言うのか読者に分かりやすく前振りを入れてくれる親切な文章だといえます。
反対に、接続詞を使っていない文章は、読み手に対して不親切な文章と言えるでしょう。
覚えておきたい接続詞一覧
じゃあ接続詞ってどんなものがあるの?という話になります。
以下に接続詞の種類を表にして簡単にまとめています。
代表的な接続詞は10個ほどになるので、覚えられないという量ではないでしょう。
接続詞の種類 | ||
論理の接続詞 | 順接の接続詞 | だから |
それなら | ||
逆説の接続詞 | しかし | |
ところが | ||
整理の接続詞 | 並列の接続詞 | そして |
それに | ||
かつ | ||
対比の接続詞 | 一方 | |
または | ||
列挙の接続詞 | 第一に | |
最初に | ||
まず | ||
理解の接続詞 | 換言の接続詞 | つまり |
むしろ | ||
例示の接続詞 | たとえば | |
とくに | ||
補足の接続詞 | なぜなら | |
ただし | ||
展開の接続詞 | 転換の接続詞 | さて |
では | ||
結論の接続詞 | このように | |
とにかく |
参照:石黒圭著『文章は接続詞で決まる』光文社新書、2008年9月、57頁。
書き上げた文章があるとして、文と文の間にそのつど接続詞が入るかチェックしてみましょう。
これを気をつけるだけでもずいぶんと文章が変わってきます。
よーし!接続詞で私も分かりやすい文章をバリバリ書くぞー!!
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