この記事では、脚本術について書かれた「Save the Catー本当に売れる脚本術」から、創作に役立つストーリー作りの型をいくつかまとめている。

小説、シナリオ、漫画、映画など、面白いストーリーを作りたいが、参考になるパターンがあれば知りたい、という方にこの本をおすすめする。

ストーリー作り黄金の10パターン

この本の著書であるブレイク・スナイダー流に分けると、ハリウッド映画のストーリーの型には黄金の10パターンがある。

  1. 金色の羊毛
  2. 家のなかのモンスター
  3. 魔法のランプ
  4. 人生の節目…
  5. なぜやったのか?
  6. スーパーヒーロー
  7. 難題に直面した平凡な奴
  8. 人生の節目
  9. バカの勝利
  10. 組織のなかで

ここでは金色の羊毛、家の中のモンスター、魔法のランプ、困難に直面した平凡な奴、組織のなかで、この5つについてまとめた。

金色の羊毛

何かを求めて主人公が旅に出るのが金色の羊毛パターン。

旅の途中で人々と出会い、色々な経験をする。金色の羊毛パターンでは、出会った人や経験が主人公をどう変化させていくかが核となる。いわば主人公の成長物語といえる。

代表的な例としてはオズの魔法使い、バックトゥザフューチャー、など。

家のなかのモンスター

基本原理は「危ないやつに食われるな!」。

このパターンの要素は家に代表されるような逃げ場のない空間と、主人公に害をなすモンスターが事件や犯罪を起こす。

モンスターは大体は人間の貪欲さが原因で生まれ、主人公たちに復讐しようとする。エルム街の悪夢やエクソシストなど、ホラーやパニック映画に多い。

魔法のランプ

魔法のランプでは、ひどい扱いを受けている主人公の元に”魔法のランプ”が現れ、主人公の願いが叶って幸せになろうとする。

観客も、主人公がひどい扱いを受けているからこそなおさら幸せになってほしいと願うが、主人公は最終的に、魔法よりも普通の人間であることが一番の幸せであると気づき再びもとの生活に戻ってゆく。

ちなみに魔法のランプでは、願いが叶う代わりに天罰が下るというパターンもある。その場合は呪いとして主人公は一度懲らしめられる立場になるが最終的に克服して勝利を収める。

難題に直面した平凡な奴

平凡普通な人物がとんでもない状況に巻き込まれるのがこのパターン。ダイ・ハードが有名。

どこにでもいそうな人であるため、読み手や観客が感情移入しやすい。このパターンでは、主人公が巻き込まれる問題が大きければ大きいほどいい。

また、悪役も悪ければ悪いほど主人公の行動が引き立てられる。なので悪役は徹底して悪に徹する。主人公は自分の個性、知力を駆使して、強大な敵に打ち勝つことで感動が生まれる。

組織の中で

人間は一人では生きていけない。だからこそ集団で行動し、生活する。

しかし集団になると、ときとして集団全体の利益や目的のために少数派の目的は犠牲となることがある。

「組織の中で」は、集団や組織、ファミリーについてのストーリーを扱うジャンルだ。

主人公は自分が所属する組織に誇りを感じているが、一方で、組織の一員として生きるために自分らしさやアイデンティティを抑え込まなくてはならない。

そんな葛藤を抱えている。

そこに予期せぬ登場人物が現れ、手段の目的が実は欺瞞であることを暴いて行くのが「組織のなかで」の基本パターンだ。

組織や集団を動かす根源には自滅的なものが多い。個人よりも集団を優先することの是非を浮き彫りにする。

面白い話を書くために…‼

上記で紹介した黄金のストーリーのパターン以外にも、キャラ設定に必要な要素、ストーリーの構造など、物語を作るうえで、より話を面白くする助言がたくさん載っている。

タイトルにもあるSave the Catの法則とは何なのか。

そのタネ明かしも本書の中盤で…!

気になる方はぜひ本書を手に取ってみてほしい。