顔マンガのページばかりだと、マンガの面白さが半減します。
コマワリはマンガの面白さを左右する大切な要素です。
コマワリとは、文字通りマンガのコマを割る作業のこと。
ありがちなのが「顔マンガ」で、ページ内のコマを均等に配置し、キャラクターの顔(もしくはバストアップ)とセリフを入れたコマが続きます。
顔マンガの長所は描きやすいという点につきます。
しかし読者からすると単調で、状況や場面、感情の移り変わりが捉えにくい短所があります。
もちろん演出として意図的に配置した「顔マンガ」は例外ですが。
コマ割りは演出=見せ方、すなわち魅せ方です。
マンガを面白くする要素はストーリーやキャラ、テーマなどさまざまです。そしてこれらの要素を引き立てているのが、実はコマワリだったりします。
コマを割る、というのは、あなたが導き出したストーリーやキャラ、テーマをより分かりやすく、面白く伝える演出テクニック、すなわち魅せ方なのです。
どれだけ面白い内容でもコマワリを工夫しなければ読者に伝わりません。
そしていくらこれらの要素が面白かったとしても、コマワリのコツを知らなければ、読者に何を伝えたいのかも、その面白さも伝えることはできません。
それでは、マンガの面白さの半分を占めるコマワリのテクニックとはどのようなものなのでしょうか。
そこで今回は、東京ネームタンクから出ている深谷陽著『もっと魅せる・面白くする魂に響くコマワリ教室』を下敷きとして、数あるテクニックのなかでも3つのコマワリテクニックをお伝えします。
顔マンガを避けて魅力的な見せ方にするための3つのコマワリテクニック
コマ割りテクニック1:フレーミング
フレーミングとは、文字通り枠(フレーム)を切り取ること。コマのなかに配置したい人物がひとりいたとします。
その人物を、あなたならどのように切り取りますか?
頭から足先まで人物全体をコマに入れる、あるいは、上半身だけ。
また、その人物をどの方向から描きますか?
真正面から描く、あるいは斜め後ろからなど。
以下の2点を考えてからフレーミングをすると構図が決まりやすくなります。
・そのコマで見せたいもの、見せるべきものはなにか。
・どのような印象のコマにしたいのか(カッコよくしたいのか、不気味に見せたいのか、それとも穏やかに見せたいのかなど)。
コマ割りテクニック2:アングル
正面からの角度だけではなく、フカンとアオリをうまく組み合わせてみましょう。
フカン(俯瞰)とは文字どおり上空から見下ろした構図で、落ち着いた雰囲気や登場人物同士の距離感、位置関係を正確に伝える働きがあります。
一方でアオリとは、下から見上げた構図であり、大きなもののスケール感や敵の強大さ、恐怖感を演出するのに適しています。
コマ割りテクニック3:奥行き
マンガは紙面が限られており、この限界を解消するのに奥行きが役に立ちます。
ポイントは近景・中景・遠景。
この3つを描きこむことで臨場感が生まれ、距離感を無限に表現することが可能です。
コマワリに「正解」はない。
ここまで言っておいて何ですが、ぶっちゃけコマワリに「正解」はありません。
コマワリは作者がそのコマでどんな感情を伝えたいのかに左右されます。たとえば、その感情が楽しいのか、それとも悲しいのか。
何を見せたいかでコマワリも変わってくるのです。
コマワリの極意は『コマワリ教室』にあり。マンガを描くのが好きな人は必携の書です。
マンガのコマを割るテクニックは、上記で紹介したものだけに限りません。もっと知りたいという人は、東京ネームタンクから出ている『コマワリ教室』がおススメです。
コマを割ることがどういうことなのかが分かるでしょう。
『コマワリ教室』には、コマワリ講座で受講生が制作した課題の添削が掲載されています。
そして紙面のほとんどがその添削で占められているのが特徴です。
受講生の作品は、添削前と添削後でまさしく”劇的”な変化を遂げており、コマワリの具体的・実践的内容となっています。
個人的には「ウケ」と「フリ」のテクニックをもっとうまく使いたいと思いました。
ちなみにですが、SNSで出されていたお題を私もやってみました。難しい。
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